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  • Writer's pictureKaori

Australian of the year、マット・ボーウェルさんの講演会から思う。みんなが自分のパッションに従って生きるということ。

Updated: Jun 15, 2018

#マット・ボーウェル #3Dプリンティング #義手 #パッション #人生の主役 #コーチング



今日は、子供をおばあちゃんのうちに預けて、どうしても行きたかった講演会に行ってきました。


それは、3Dプリンターで義手を製作し、無償でそれが必要な子供たちに届ける活動をしているマット・ボーウェルさんの日本語での講演会。



マット・ボウエル

マットさんは、高校生、大学生の時に日本に数年間留学し、その後トヨタでエンジニアとして働かれていたこともあり、日本語がとてもお上手なんです!


マットさんは、ご自分は小さい頃からブラックシープ(黒い羊=変わり者)だったとおっしゃっていました。


いつも、何が(waht?)や、どうやって(how?)と聞かずに、なぜ (why?)と質問ばかりして、学校の先生を困らせていた”問題児”だったそうです。


でも、その物事の本質を見つめようとする姿勢は、彼がある日突然、人員削減の一環として、長年勤めていたトヨタから解雇される通知を受け取った時に、彼を助けることになります。


長年勤務した、若い時からの憧れの職場。そこからの解雇通告はマットさんの人生の大きな転機になります。


”自分は何者なのか?”

”何をするために生まれてきたのか”


そう考えるマットさんの心に、以前日本で見た、高価な筋電義手を見た時の思いが蘇ります。


”より多くの人に、今よりももっと安価で使いやすい義手を届ける活動をしたい!”


そう思い立った彼は、5000ドルを3Dプリンターに投資し、自宅で3Dプリンターを使った義手作りを始めます。


そこからの数年間は、ほとんど誰にも知られることのない地道な活動が続きます。

貯金を切り崩しながらの生活に、影で支える奥様のゆかさんの心労も計り知れず…


しかし、マットさんの活動がようやく一部メディアの目に止まり、昨年メジャーテレビ局のニュースで放送されると、あっという間に彼の活動の認知度は広まり、なんと今年、オーストラリア・オブ・ザ・イヤーのヴィクトリア州のローカルヒーローという賞を受賞することになります。


現在では、大手銀行からのスポンサーの申し出や、クラウドファンディングでの募金へのサポートもあとを絶ちません。


彼は言います。


「考えると涙が出てくるくらいのことが自分のパッションなんだ。そのパッションを忘れないで。」



Black 3D printing prosthetic hand
マザーズコーチング&トラストコーチング

   (注:写真はお借りしたもので、マットさんの作ったハンドではありません。)



実は、私は、子供が生まれるまでは、義肢装具士という義手や義足を作る仕事をしていました。

日本で国家資格を取った後に、オーストラリアでも勉強をし、国際的に活動できる資格にアップグレードすると、その後、7年ほど病院やプライベートの義肢装具制作会社で働きました。


この仕事をしていた時の自分は、もちろん大変なこともありましたが、毎日とても生き生きとしていて、自分の仕事に誇りよやりがいを持って働いていたのです。


だから、マットさんが自分の作った義手を子供達に手渡した時に、子供やその家族の笑顔を見るときが一番嬉しいというのは、本当〜によくわかります。


でも、子供を産んでから、家庭や子育てとのバランスを考えた時に、仕事に復帰するのはその時点では難しいと判断し、子育てに専念することにしたのです。


(そのあとの私の心の迷走ぶりを書いたマイストーリーはこちらから読めます)


でも、その頃の私は、主婦として子供や家族のことをサポートするという仕事が、とても大切なことだとはわかっていても、いまいちそれだけでは満足できず、どうしても何か他のことをやりたい衝動に駆られていました。


そして、コーチングに出会い、自身の不妊治療の体験から、現在は、ママや妊活中の女性をコーチングを通じてサポートする活動を、主婦業の合間を縫ってしています。


でも、今日マットさんの講演を聞いていて、自分はどうして今の活動をしていきたいのかということを改めて考えさせられました。



マザーズコーチング&トラストコーチング

実は、マットさんの公演が始まる前に、メルボルン総領事がマットさんの活動について紹介され、お話しされる場が設けられていたのですが、その時私は、なんともすっきりしない気分でそこに座っていたのです。


もちろん私はマットさんの活動がどれだけすごいことなのか、頭ではわかっているのですが、


”私だって、何年も勉強して義足を作る仕事をしていたのに。”


と、マットさんが羨ましいというよりも、

自分のことを認めてもらいたい、自分のやっていることを凄いといってもらいたい、という気持ちが湧き上がってくるのを、客観的に認めずにはおれませんでした。


そして、そんなモヤモヤとした気分でマットさんのお話を聞き始めたのですが、マットさんのお話に引き込まれ、講演の最後に、マットさんもボランティアとして参加されたアンピュティーキャンプ(切断者や生まれつき四肢に障害がある人たちが集うキャンプ)の様子が映し出された映像を見て、その時、ふと、自分が大学生の時に、家庭裁判所で仮処分になっている少年達と一緒に、ボランティアとして参加したキャンプで、みんなは泣いていないのに、別れ際に私だけが号泣したことを思い出しました。


「ああ、これなんだ!」


と、その時、自分の中で、寒い冬の朝、入れたての紅茶を一口飲んだ時のような、温かい感情がじんわりと自分の内側に広がっていくのを感じました。


私が今、コーチとしてママや妊活をサポートしているのも、義肢装具士として切断者と関わってきたのも、非行に走ってしまい家庭裁判所のお世話になっている少年たちとの別れ際号泣してしまったのも、根底では同じ思いが流れているということに、気がついたのです。


マットさんが言っていた、私の”涙が溢れるほどのパッション”を体現するには、義肢装具士としてじゃなくてもいいんだ、と。


私にとってのそれは、自分が関わることで、その相手の中で、何かがポジティブに変わった瞬間が感じられること、そして、その変化が他の人にも伝わっていくといいな、という思いなのです。


子供やお年寄り、障害を持った人など、社会的弱者と呼ばれるような人には、特に寄り添いたいという気持ちが若い時から強かったように思いますが、それは、私の、”誰もが周りの人に思いやりを持ち、助け合える、温かい世界を実現していきたい”という思いからの事かもしれません。


だからこそ、私自身が体験したことで誰かをサポートでき、その人がそのエネルギーをどんどん他の人にも良い形で循環させていければ、そんな暖かで優しい世界が実現することができると考えています。


それが、今はコーチングというツールを通して行われているということだけのことなのです。


それがはっきりした時、マットさんが講演でおっしゃっていた、”パッションを持って突き進む”ということが、自分の中で、本当に納得できる形になって自分のマインドにカチッと音を立ててはまった感覚がありました。


自分が過去に頑張ってきたことを誰かに認められたいという気持ちは、もう、そこにはありません。


今は、声を大にして、私は主婦です、と胸を張って言えます。

その合間に、さらに様々な形で自分の思いを実現する活動をしていますが、主婦であることも、私の”誰もが周りの人に思いやりを持ち、助け合える、温かい世界を実現していきたい”という思いを実現する大事な役目であるとわかったからです。


母として、妻として、自分自身が暖かさを循環させること。

親として子供と関わる中で、思いやりの気持ちを伝えたり、子供がそれを周りの人にも手渡していける暖かな人間関係を作れる人になるような関わりを、私自身がすること。


私が、今、身近にできること全てが、自分のパッションにつながっていると確信しました。



誰もが人生で一度は、自分の役目は何かと問う時があると思います。


その時、”私には何ができるか?”と考える人が大半だと思います。

(過去の私もそうでした。)


でも、マットさんのおっしゃる通り、”私は何がしたいか?” そして、”なぜそれがしたいか?”がはっきりしていなければ、また同じ場所でぐるぐると悩み、人の目や評価を気にし、結局は自分の本当のパッションを思い出せないまま過ごしてしまうことにもなりかねません。


私も、昨日の講演で、心新たに自分自身を振り返ることができ、より自分の足元が固まったように感じます。


マザーズコーチング&トラストコーチング

もし、マットさんに講演に来てほしい!というご要望があれば、日本全国、全世界どこでも駆けつけます!ということですので、


Mat Bawtell

helping3dhand@gmail.com


まで、気軽に問い合わせてみてください。


もちろん、奥様のゆかちゃんが、万全の体制でサポートされていますので、日本語でお問い合わせいただけます。



そして、マットさんの活動の様子が見られるフェイスブックページはこちらです。


こちらからは、マットさんの活動をサポートするためのクラウドファンディングに募金できます。



皆さんにも是非、マットさんのお話を聞いて、自分のパッションについて考える機会にしていただきたいと思います。


そして、未来ある子供たちにも是非、マットさんのお話を聞いて欲しいなー、と思います。









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